Impression, soleil levant.


休日。

わたしより先にパリにきて頑張っている、

同年代の志ある女の子に出会い、刺激を受けて

語学学校へ行こう!!とおもったのですが

なんと、先生の意向で10分以上の遅刻は入室不可と言われてしまいました。

わたしが悪い、悪いけど…

この学校、めちゃめちゃゆるいのに、

なぜそこだけ厳しいんだ!

休館日に待ち合わせを指定されたときの恨みが一瞬よみがえりましたが、

せっかく早起きして、普段あまり来ないパリの西側にきたので

行きたいとおもっていた、マルモッタン美術館で開催中の



la Muette駅を降り立った瞬間から、


広がる青空に、さあっと心も晴れ渡りました。

そして美術館の方へ歩いていくと、ひろい公園の緑にまた心癒されます。


大きくはないけれど、たたずまいも心地よいマルモッタン美術館。


空腹のあまり集中力が強制終了するまで、時を忘れていました。

はっと腕時計をたしかめると

たっぷり3時間かけていました。

こんなに長い時間、無心になって絵を見たのは久しぶりな気がします。

特に素晴らしかったのは、企画展の最後の3枚。

La plage a Pourville. Soleil couchant.(1882年)

黄色、白、緑、朱、青、茶…

ストロークが描く波、波、波。

海がこっちに飛び込んでくるみたいで、

楽しくて嬉しくなりました。


Coucher de Soleil, Etretat. (1883年)

この夕陽は、夕陽のうつる海面は、

今まで幾度も見てきた、いろんな夕陽を思い出させるけれど

その夕陽たちはひとつひとつの思い出として想起されるのではなくて

固有名詞が溶けた状態でふああっと立ちのぼってくる。

絵の前で足を止める人々、

みんな違う景色を見てきたけれど、

それぞれの景色が、

ひとつの名前をもたない景色になってそこに映し出されているような。


ポストカードは売っていませんでした。
プチ・パレに普段は所蔵されているみたい。

この絵は、

目が合った瞬間、痺れました。

オレンジ色のぽってり太陽は、有名な「日の出」の太陽とも似ているけれど

わたしはこの絵がとても好きです。

新しくないのに、自分の中から奏でられているのに楽譜に起こせないメロディーみたいな。

どこかでみた景色や、体験の記憶につながっている。

瞼の体温で溶けたバターが身体中の血管を流れていってちいさなちいさな細胞にしみついて、

その細胞が反応するみたいな。

上手に説明できないけれど、そんな感覚。


ちなみに、展覧会の解説によれば

若き日のモネがオランダ出身の画家Johan Berthold Jongkindと活動をともにし、彼に教わったことを

後に、L'education definitive de son oeilと呼んだそうです。

英語訳ではthe final education of my eye.となっていました。

日本語だと、なんといえば適切かしら。

いいひびき。


常設展ではGivernyの庭をモチーフにした作品が多く展示されていて、

3年前(早い…!)に当時Rosebud研修生だったゆりこさんと一緒に行った

初夏で睡蓮が咲いていたGivernyを思い出しながら


そのパノラマと、絵と

自分が内側と外側から

優しい温度でサンドイッチされているような

えも言われぬ幸福感でした。

筆致と離れるのがさみしかった。

会期は18日まで。

モネは何度か見たからもういいやという方も、

是非見ておいてほしい絵が沢山で、おすすめです。


その後はパリ日本文化会館へ、

とあるマイナー?な公演のチケットを買いに。

偶然、興味深い体験もできました。

長くなってしまうので、それはまた明日にでも書こうと思います。

「学校行って、ねこカフェ行って、
帰ってきたら復習して早めに寝よう!」

とおもっていた当初の計画はなにひとつ実行できませんでしたが

沢山インプットできた良い一日でした。


***

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