エリック・ロメールと女たち。





先週のことになりますが、エリック・ロメール監督特集上映

『ロメールと女たち』を観てきました。


いくつか作品があるなか、わたしは

『緑の光線』と『海辺のポーリーヌ』を選んで。

『緑の光線』は、

高校生のときに通っていた予備校のスタッフの方が

わたしがフランス映画や文学が好きで、仏文科を受験しようとしていることを知って

それならばと目を輝かせて強く推薦してくれた映画。

あの人は、どんなふうにしてこのエンドロールを眺めていたのかなと

ふと、思いを馳せました。

このロメール特集上映には足を運ぶのだろうか、

そもそも東京に居るのだろうか。

予備校のロビーで、紙にいくつも映画のタイトルを書き連ねて

「これは絶対に観た方が良いから!」と手渡してくれました。

あと、中条先生の『フランス映画史の誘惑』をすすめてくれたのも、

あの人だったかな。

当時、同級生のあいだでフランスの詩や、ヌーヴェルヴァーグが好きだって子がいなかったから

結構ひとりで映画をレンタルしたり、リバイバルがあれば観に行ったり、

どこへでも出掛けて行ったけれど

その分、周りの大人たちが教えてくれたことも多い。


『海辺のポーリーヌ』を観るときに、

ひとり、セーラー服を来た女学生が入って来たのを見て

自分のすがたと重ね合わせました。

一緒に観た友達(彼女ともよく、中高生のころ一緒に沢山の映画を観に行ったりしていた)と、

おもわず顔を見合わせて、

おんなじようなことを話しました。



予備校といえば、あの予備校の授業はかなりおもしろかった。

特に現代文の授業は、ディスカッション形式で

パラダイムシフトとか心身二元論とか

世界の見え方(見方ではなく、見え方)を教わったという感じがする。

歴史の年号や名称を覚えることは最後までできなかったけれど、

いわゆる“受験勉強”ではなく、

あの先生たちは高校生に“知”という光を与えようとしてくれていたのだとおもう。

世界に旅立つ前の鳥に、羅針盤のようなものを授けてくれようとしたのだとおもう。

そして、ただの女子高生に『緑の光線』をすすめてくれた。

世界はどうやら広いようで、

そしてどうやら複雑で、

まだ知らぬこと、見ぬ美しいものが沢山あることを、

大人たちは教えてくれた。



いつものことながら、話が脱線しましたが。

『緑の光線』も『海辺のポーリーヌ』も、

リリカルで、

でも素肌にふれているような生々しさというか、ある種の親密さを感じました。

初恋もまだ知らなかった14歳だか15歳だかのポーリーヌに、

「狂気は愛の一種」などとさらっと言わせてしまうあたりとか、

とにかく“うまくいかない”デルフィーヌが泣くたびに

周りがどうしていいかわからずに困ったような顔をするたびに

どこか自分の胸の奥にもデジャヴュのように引っかかって愛おしくなるあたりとか

そしてそれらがあくまでも、軽やかで爽やかなのとかが

いい。とっても。



偶然にも二作品ともヴァカンスをテーマにした作品だったので

わたしもヴァカンスへ旅立ちたくなりました。

今年は南イタリアで、何もせずのんびり過ごす予定。

早く8月にならないかな。


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