SHUJI NAKAGAWA EXHIBITION.


サンジェルマンデプレ界隈に新しくオープンしたギャラリー、

L'esprit D'artisanにて開催中の


お手伝いをさせていただきました。



お手伝いにあたり

中川木工芸の技術や伝統について

また「指物(さしもの)」と呼ばれる木工芸について

フランス語の展示会資料を読み込みました。

知らなかったことだらけで、恥ずかしかった。

昭和39年に初代の手によってつくられた、吉野杉のビアマグ。

吉野杉は、時間の経過とともに、どんどん色の深みを増してゆきます。

三代にわたって使い続けられてきた道具の数々。

そして、中川家三代の写真。

作品だけでなくこれらも展示しているのは、

「これを個人のクリエイションや作品として見るのではなく、
長い時間をかけて築かれてきたものなのだということをわかってもらいたいから」

なのだそう。

木の香りと日本酒とのマリアージュ、最高です。

ほしい。。

白木(無塗装)でつくられているので、

水に濡れたところをそのままにしておくと、染みができます。

ざぶんと全体を濡らして手入れすればよいそうなのですが

この染みをも、たのしむ、

そのときそのときの表情を愛でる一期一会のこころを大切にしているのだそう。


壊れないものをつくるのではなく、

壊れたところを直しながら

経る時間をともにしながら

長い間つかっていける、ものづくり。


日本の文化やものづくり、美意識を

フランスの人たちに知ってもらいたい。


ギャラリーの方がお話しされているなかで

ぽろっと溢れた言葉、

「ヴィトンを持つのは恥ずかしいっておもう時代になってきてる」

この言葉が、まさに言い表しているとおもう。

今の若い人たちはお金を使わない。物欲がない。

車を買わない世代。

そう言われます。

それはハングリー精神とか野心とかが欠けているのではなくて

今までの価値観から、新しい価値観へと

方向が変わってきていることの一端だとおもう。

ヴィトンのバッグを持つことがかっこいい、ステイタスだ、

とおもっているのはかっこわるい。

ものに対する「鈍さ」についてのかっこわるい、だとおもう。

言わずもがな、ヴィトンの商品を否定する意味では決してありません。

ブランドを否定するのでもありません。

わたしもブランドのものを買います。
(買います、というほど沢山持っているわけではないけど)

ブランドだから買うとか、逆に買わないとかそういうのじゃなくて、

哲学とか、五感とか、共感とか。

ものに対して、もっと個人個人が敏感になっていく時代。

わたしが日本の文化やものづくりに興味を持ち始めたのも、

そのパラダイムシフトに影響をうけているのではないかとおもう。

豊かな暮らし、詩情ある暮らしをしたいとおもい始めたとき

その豊かさとはまさに

ブランドのロゴを収集することではなくて

自分の瞳を豊かにすることであって

日本には、そういう豊かさがたくさんあって

パリにももちろん、あふれるほどあって。

でも、感覚としてだけど、

パリのほうが、そこに「アクセスしやすい」環境だと感じる。

日本のコンビニぐらい花屋さんが多くて、花が根付いている日常であったり、

古い石造りの建物がのこっている景観であったり。

たくさん触れたい。

日本人が大切にしてきた美意識にも、この街の人に触れてもらいたい。

あと9ヶ月のあいだに、なにができるかなああ!


***

パリ生活スタートをきっかけに、
ブログランキングの参加始めました。

バナーをクリックしていただいた数が
ランキングに反映される仕組みですので、
よろしければ下記クリックをお願い致します♪

にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村

2位になったり3位になったりしているようです…!