表現する。


自分の中で、
美しいものが見たい!という衝動が湧き起こるとき。

わたしにとってそれはすなわち、
ダンスが見たい!と同義。


これは、今年のUK戦決勝。

ダンス界の世界一を決める舞台。

自分自身がダンスシューズを脱いでからは、

あまり頻繁に見ることもなくなったけれど

だからこそ余計感じる、ダンス界の潮流はものすごい勢いで日々変わっている。

昔出た試合の審査委員長ははっきりと、

「競技ダンスは美しさを競うスポーツです」と口にしていた。

永遠に変わらない芯のようなものはありつつも、

「これがかっこいい」「これがいけてる」という美の価値観みたいなものに

永遠はない。

ちょっと前までみんなが目指していたダンスのスタイルは、

あっという間に古くなる。

日々それは塗り替えられていく。

必ずしも進化しているのだとは言い切れない、

過剰な方向に向かうこともある。

でも、それは間違いなく、すごく面白いことだ。

日々、基礎を積み重ねていくうちに、

自分が新しい「かっこいい」を作り出すことができる可能性がある。

世の中の誰もが考えつかなかった「美しい」を生み出すことができるかもしれない。

今まで何度も何度もトレースしてきた回路を通って、

まったく新鮮な脈動みたいなものが、からだの内から外へ出て行く。

ダンスも花も文章も同じ。

そこが楽しい。



ちなみに、たとえば同じTangoという種目でも、世界トップの3組が表現すると、

それぞれまったく別の世界観が見えて面白い。

まずわたしの大好きなVictor & AnastasiaのTango.
ヴィヴァルディの四季「冬」で踊ってしまうところもかっこいい。




そして、彼らがアマチュア選手だった頃から好きだった、Andrea & SaraのTango.



最後に、
現世界王者のArunas &KatushaのTango.

なんと、途中3分を過ぎたあたりで、Katushaの靴が片方脱げてしまうというハプニングが。
しかし、あたかもそれが予定されていた演出かのように、
もう一方の靴も脱ぎ捨てて、裸足で演技を続ける二人。
卓越したテクニックと、王者のプロ根性に痺れる。



どのTangoも、めちゃくちゃかっこいい。





おまけ。

久しぶりに、ダンス見て泣きそうになった。


※YouTubeにとびます。