2日めは、お着物で金沢散策。
加賀友禅をお借りして着付けていただきました。
21世紀美術館で桜舞い散る中、集合写真を撮影。
撮影は、フォトグラファーの西鍛冶綾さん。
その後、東茶屋街へ。
金沢ならではの格子、木虫籠(きむすこ)。
一枚一枚が台形(外が広くて内側が狭い)になっているため、
外からは中が見えにくく、中からは外が見えるようになっているのだとか。
軒先にトウモロコシ?!
旧暦の七月九日、とうきび祭りとよばれる行事が古くからあるそうで、
この日にお参りすると、四万六千日分の功徳が得られるとか。
(お得すぎます。)
それで、その日にトウモロコシをもらってきて、
無病息災、招福などを祈って一年間軒先に吊るしておくのだとか。
そういえば東京でも、ほおずき市というのがありますよね。
こんな解説をしていただきながら街並みをそぞろ歩き、楽しかったです。
こちらも西鍛冶さんからいただいた写真です。
わたしは身長が高いので、
きられる着物があるのだろうか…と若干心配しておりましたが、
きれいなお着物を、きれいに着付けていただきました。
この柔らかく上品な中間色は、加賀友禅ならでは。
また着心地もよくて動きやすかったので、
着疲れ(&いつもと違う所作での気疲れ)することもなく過ごせました。
由美先生と、加賀染振興協会の理事でいらっしゃる鶴賀雄子先生。
おふたりのオーラが凄すぎて、女優のようで、
思わずシャッターきりまくり。
芸能事務所のカレンダーの撮影みたい。
鶴賀先生には、お着物のときの所作も色々と教えていただきました。
「加賀友禅は、文化です。
皆さんは、文化を着ているんです」
と仰っていたのが印象的でした。
お昼は、十月亭さんにて。
さりげないしつらえに、きゅんとします。
また、茶屋街のつくりは基本的に、1階が住居もしくはお台所、
客室は2階になっています。
お向かい同士の玄関がすこしずつずれているのは、玄関を出たときに鉢合わせないように。
また、昔は道の真ん中に桜と柳が交互に植えられていたそうですが、
それも、2階にいる客人たちが顔を合わせることのないようにという気遣いだったとか。
おもてなしのこころが随所にみられて、
つくづく、日本に生まれて良かった。
ただ、日本に生まれるだけでは日本人ではないんだな、
こういう、昔から受け継がれてきたこころを知って、
すこしでも自分の中にも育てられてこそ、日本人であるといえるのだな、と思いました。
彩りあざやかな、虫籠弁当。
ひとつひとつがおいしすぎて、ほっぺたが幸せの絶頂です。
そして、なれない正坐に足の痺れも絶頂に。
実は中学時代、大好きな和菓子が毎週食べられるなんてすばらしすぎる!
という恐るべき食い意地によって茶道部に入部したものの、
正坐がつらすぎて、肝心のお菓子が出てくる段には既に味わうどころではなくなり、
結局一年で辞めた…という苦い経験が…。
お着物になれていらっしゃる先輩方に正坐のこつを教わりつつ、
また、「精神統一。」という超原始的な方法により、
なんとか今回は美味しいお食事をしっかり味わうことができました。
葛切り。
亀戸天神のお膝元、船橋屋さんの葛餅を食べて育ってきたわたしですが、
この葛切りは最高です。
のこった黒蜜は、真ん中の白湯で割って飲んでください、と、
最後の一滴までも味わってほしいというお店のこころが有難い。
金沢、大好きな街になりました。
また必ずゆきたい。
ちなみに、この日の様子が翌朝の北國新聞に掲載されました。