ふくさの思い出。



金沢へ行ってきました。

その詳細は追って書くことにします。

さて。



金沢駅で見つけたこの子。

ご存知ですか?

ふくさという名の和菓子です。

金沢名物のようで、東京では見たことがありません。

このお菓子を見ると、古いフィルムみたいに映像が蘇ってくる。

夏の暑い日、

座布団を並べた大座敷に響くお経。

どこからともなく集まってくる、黒い服を着た親戚たち。

長く続くお経のあいだ、見つめていた畳の目。

開け放した窓からきこえる、蝉のつんざくような声。

御盆に帰省すると、祖母が必ず法事で皆に振る舞っていたのがこのお菓子だったから。

母に尋ねてみたら、金沢に住むおばが毎回用意していたんだそう。

ふくさ、という名前、初めて知りました。

ふわふわの蒸しパンにあんこや栗が入っている、シンプルなお菓子。

いつも大量に用意されるので、

余った分は孫のわたしたちが平らげていました。

おいしくて、何個も何個も食べました。

毎年繰り返される、夏の一日。



思い出のお菓子は、ありますか?