祖母の洋服。

MAISON LOU paris
schedule 2018

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函館の祖母が若い頃に着ていた洋服に

最近はよく、袖を通す。

昔の洋服はオーダーメイドで、

生地も仕立ても、また品も良いのだ。



祖母が亡くなったのは、弟の大学受験の年だったから

もう、十二年も前になる。


皮肉なもので

祖母が生きていた頃よりも

今のほうが、彼女に想いを馳せることがおおい。



大きょうだいの末っ子として育った祖母は、

贅沢に慣れていたから

結婚した祖父はなかなか、大変だったとおもうけれど

仲睦まじい夫婦だった。

クリーニングに出す時はいつでも「デラックス仕上げ」。

珈琲豆を買う時はいつでも「ブルーマウンテン」で

ただ、砂糖を大量に入れて甘くしないと、美味しくないと言って、飲めなかった。

我が儘なようでいて、

とても優しくて純粋だったから、人に騙されもしたらしい。

東京にもよく遊びにきたし、

お洒落で、お出掛けが好きだったけれど

海外旅行にいったことは、意外なことに、一度もなかった。

祖母が天国へいったあと、

祖父は、ロシアやヨーロッパ、

随分遠い国にまで、旅行へ出掛けていた。

連れて行けなかった祖母のかわりに、

多くの景色を見てきたのだろう。

私も、祖母に見せたい景色が沢山ある。



幼かった私が書く手紙を、いつも照れるほど喜んでくれた祖母だったから

また文通できたら

と、おもうけれど

今はもうすべてが過去形で語られて

同じエピソードを繰り返している。


ああ、あたらしいお話を聞きたいな、

どんな日常の些事でも良いから。

そんな風に、ふとおもうこともある。



それでも、

祖父の声を電話口からきいていると

ふしぎと祖母の笑顔が混じっていることがある。


母の顔は年々、祖母に似てくる。


私たちはどこかで繋がり、どこかで別れる。


祖母が、そして母が着た、

仕立ての良いワンピースだけが

どこにも記録されない私たちの過去と未来を知っている。



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