限りなく透明に近く、なりたい。



限りなく透明に近いブルー、ではないけれど

日本人には、「透明になりたい」願望があるとおもう。

誰もが皆軽くなりたい、ダイエット思考。

肌も歯もホワイトニング、白く白く。

透明感の、あくなき探求。

軽量化、小型化。

建物もどこか、軽い気がして。

行き交う人々も、鉄塔でさえも

地面から数ミリ、浮いているような感じがする。


深夜の誰もいない広い道路で

中央分離帯をえいっと跨ぐと

やっとこの世の確かさみたいなものを得たような気がする。


淡く、やさしく、柔いひとたち。

軽く、透明なひとたち。


わたしは時々不安になって、根っこのあるもの、時を経たものを殊更に愛でる。

それでも尚、生まれ育った、この複雑で軽快な街を愛する。