灯台守の話と、Stevie Wonderのハーモニカ。


MAISON LOU paris
schedule 2017-18

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■12月16日〜25日、横浜・反町にあるヨリフネさんにて開催予定の
石川隆児さんの個展に、お花を活けさせていただきます。
■12月28~30日、お正月を迎えるスペシャルレッスンを開催します。
詳細はこちら。

■2018年1月のレギュラーレッスンは1月24、26、27日です。
詳細はこちら。

■1月28日(日)、赤坂蚤の市 in ARKHILLSにLe bosquetさんと一緒に出店します。

※BORGO DELLE TOVAGLIEのアイテムご購入希望の方、お手数ですが、
サービエットはこちら
ハンドタオル・ゲストタオルはこちらから、
在庫をご確認いただけますと幸いです。

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Wife&Husbandさんで買って来た、珈琲豆を挽いて

なにか読みたいと手を伸ばした書棚の中から

久しぶりに、ある本をえらびました。



Jean Paul Hevinの濃厚なチョコレートとフランボワーズのケーキといっしょに、

年月を経た表紙を捲った本は

『灯台守の話』(ジャネット・ウィンターソン著、岸本佐知子訳)。

じつは、わたしが大学生のころ、

いくつかの散文を、とある児童文学の人気作家の先生が読んで下さった機会があって

そのときに

“瑞々しい感性が、この小説の世界観と通ずるものがあるので是非一読を”

と薦めてくれたのが、この本でした。

所々、ちょっときわどい表現が出てくる小説でもあるので

当時は“この小説とどんな共通項が…!!!”と、

いくばくか不可解な思いをもって本をとじたのでしたが

改めて読んでいると、

海の闇をてらす、一条のながい光を紡いでいくような

グレーの潮風が身の回りを包むような

雄弁な静寂にひきこまれていくような感覚が残りました。

始まりがあって、真ん中があって、終わりがあって

でも終わらない物語。

文中の一節を借りれば

真実は、言語という鋳型にうまく当てはめることができないものと知っていて

でも、静寂のあとに、

“とても静かに、光のように静かに、意味が戻ってくる。

言葉とは、語ることのできる静寂の一部分なのだ。”

自分を引き合いに出されるのは全くもって次元が違うので、もうお恥ずかしいの一言ですが

きっと、まだ若かったわたしに、それこそ灯台の光を投げかけるようなきもちで

この小説を薦めていただけたのであろうことに、いま改めて感謝したいとおもいます。



時を違わずして、

instagramのメッセージで

私のお花の写真を見て、Stevie Wonderのハーモニカのようだと喩えてくれた方がいました。

私はStevie Wonderという歌手は勿論、知っていたけれど、

ハーモニカの記憶がなかったので調べていたら

“Isn't She Lovely”は彼の曲だったと思い出しました。


自分の花を、音楽に喩えてもらったのは初めてで、

本来、時のない、静止画である花の写真なのに、

そこにリズムやメロディー、音楽がきこえてくるというのは

ボリス・ヴィアンや村上春樹が書く小説みたいで

なんだか凄く嬉しかったです。

どうもありがとうございました。


そして"Isn't She Lovely"は

私にとっては、ダンススタジオでよくかかっていた

大好きな、スローフォックストロットを踊るための曲でした。


その記憶をほどかれたが最後、

you tubeで久しぶりに深夜遅くまでダンスの動画を見つづけることになったのですが

Waltz


Slow Foxtrot

しかも、あまりの美しさに、感動してひとり涙ぐんでしまったのですが

音楽とかダンスとか、

言葉で語らなくても、それは美しい文学と等しく

花とか小説とか、

音がしなくても、それは美しいメロディーと等しく。

響くものを伝えられたらいいなあ、と

今はまだ、ほんのほんの微力ではあるけれど、

年の暮れ、心新たに、おもったのでした。


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