MAISON LOU paris
schedule 2017
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今日、12月3日、千駄ヶ谷の本屋さん“ブックショップゆう”が閉店するそうです。
閉店のお知らせの貼り紙をみて
胸がぎゅっとなりました。
アトリエからの帰り、雑誌を買いにいって
レジのあいだ
声をかけようかどうか一瞬のうちにすごく迷ったけれども
50年以上もここでお店をしていた店主のおじさんに、
「お店、しめられるんですね」
と話しかけたら
ちょっぴり寂しそうだけれど笑って話して下さって
本屋さん離れがすすんで
最近はずっと、家賃に売上が追いつかなくなってしまった、のだそう。
これまで多かったアパレル関係の会社も、
3分の1ほどになってしまったのだそう。
わたしにはどうすることもできないけれども、
“50年も、本当にお疲れさまでした”
とだけ言うのが精一杯でした。
実家の近くの、36年間つづいたラーメン屋さんも、
この秋、暖簾をおろして。
シャッターが降りたままの軒先には今も、
誰が始めたのか、
“36年間、美味しいラーメンをありがとうございました!”
と中央にデカデカと書かれた大きな寄せ書きのプラカードがかかっています。
わたしも幼い頃は、家族でそのラーメン屋さんにいくのが
ちょっとしたイベントのように感じていて
ラーメン屋さん行こう、ときくと、
独特のカウンターの雰囲気や流れてくるラジオのことを思って目を輝かせ、
無性にワクワクしたものです。
切り盛りしていた店主のおじさんは、
寄せ書きを読んだのだろうか。
近頃は、店先から出てくる姿を見かけても
小さくなられたな、とおもっていました。
でも、
ただ私が大きくなっただけなのかもしれない。
消えてしまうなんて、寂しい。
もっと本屋さんで本を買えばよかったのかななんて、
後悔してもどうにもならないのだけれども。
私たちは日々、絶え間なく取捨選択を繰り返して生きていて
すれ違うものすべてを拾うことも、
すれ違う人すべてと関わっていくこともできないから、
こんな感傷は意味のないものなのだけれど
せめて、誰かと向き合っている瞬間は、
ほんとうに、心を込めて。とおもった。
一期一会の言葉の意味は、いつも後悔や寂しさと一緒に思い出してしまう。
何はともあれ
50年、本当にお疲れさまでした。
すべての文学好きとその端くれにとって、
本屋さんは聖地です。
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