赤の力。


赤という色のもつちから。
 

reppettoのバレエシューズ



波佐見焼のコーヒーマグ



TOCCAのコート


ルクルーゼのお鍋


MONOPRIXで買ったマニキュア

エトセトラ、エトセトラ。
 

わたしの日々をささえる赤。
 

ただ、最初の赤い色にまつわる“直感”は

ポジティブとは言い難いものでした。

小学校にあがるとき

みんなと同じ赤いランドセルを買ってもらうのを嫌がったわたしは

背中よりもおおきな黒のランドセルを背負って

満足気に学校へゆくと

散々、男だ男だとからかわれました。

それでも
 
赤いランドセルはいつまでも

なんとなく、しっくりこなくて

紺のブレザーの制服には

黒の方がシックだって思っていました。
 
赤は女の子の色、

黒は男の子の色。

そういうふうに決めつけられるのも嫌だった。
 

頑固もののわたしが

赤色の魅力に目覚めたのは、
 
亡くなった祖母が買ってくれた

真っ赤なワンピースだったように思います。

袖を通した瞬間に、

赤って女の色かもしれない。

そう納得した気がします。

それはまだ、唇に紅をさしたこともない年頃のこと。

大人に守られて、

そのくせ自分ひとりでなんだってできると

そうおもいこんでいた子供の頃のこと。

その真っ赤なワンピースは
多分、ある種の示唆でした。

この安全な膜のそとには

両刃の世界が広がっているのだということの。

自分はまだ現実を知らず

自分自身のことさえ知らないということの。

身体を包む赤色は、

そこへ出ていくための力をくれる。

ふたつめの直感でした。


あなたのとくべつな色は、

どんな色ですか?